Claude CodeのDynamic Workflowsは、AIに大きな仕事を任せるための強力な仕組みです。公式ドキュメントでは、Claudeがタスクに合わせてworkflow scriptを書き、ランタイムがバックグラウンドでsubagentsを動かす仕組みだと説明されています。
ただし、仕事で使うときに大事なのは「何体まで動かせるか」だけではありません。どの権限を渡すか、どこで止めるか、誰が確認するか。この記事では、Dynamic Workflowsを安全に試すための設定例を、初心者向けに整理します。
この記事を読むとわかること
- check_circleDynamic Workflows、Ultracode、Subagents、Hooksの違い
- check_circle自律運用を始める前に確認したいClaude Codeの設定
- check_circlepermissions、subagent、hookの具体的な設定例
- check_circleいきなり本番で失敗しないための小さな始め方
読者フィルター
向く: Claude Codeに重い調査・レビュー・修正作業を任せたい方、AIエージェントの権限設計に不安がある方
向かない: Claude Codeをまだ使っていない方、または設定ファイルを触らず概要だけ知りたい方
Dynamic Workflowsは「AIの作業手順をコード化する」仕組み
Dynamic Workflowsを一言でいうと、AIに任せる作業手順をClaudeがJavaScriptのworkflowとして組み立て、複数のsubagentsに分担させる仕組みです。人間が毎回「次はこれ、次はこれ」と指示する代わりに、作業の分岐や繰り返しをworkflow側が持ちます。
| 用語 | 初心者向けの説明 | 仕事での役割 |
|---|---|---|
| Workflow | AIが作る作業手順書 | 分岐、繰り返し、統合を管理する |
| Subagent | 役割別のAI担当者 | 調査係、実装係、レビュアーを分ける |
| Ultracode | workflowを使いやすくする高負荷モード | 重い仕事を任せるときだけ使う |
| Hooks | 自動チェックや通知 | 危険操作の防止、整形、レビュー誘導に使う |
公式ドキュメントでは、1回のrunで合計1,000 agentsまで、同時実行は最大16 agentsまでと説明されています。ただしこれは上限です。普段から最大値を狙うより、まずは人が確認しやすい調査やレビューで試す方が安全です。
まず確認する前提設定は4つ
Dynamic Workflowsは、古いClaude Codeでは表示されない場合があります。まずはバージョン、設定画面、effort、進捗確認の4点を見ます。
- Claude Codeを更新する
公式ドキュメントではv2.1.154以降が必要とされています。 - /configを確認する
ProではDynamic workflowsの行から有効化します。表示はプランや環境で変わる場合があります。 - /effort ultracodeを選ぶ
Ultracodeはxhigh reasoning effortとworkflow判断を組み合わせる設定です。 - /workflowsで進捗を見る
実行中のworkflow、agent数、token、経過時間を確認します。
claude update claude # Claude Code内で確認 /config /effort ultracode /workflows
1つの依頼だけworkflowにしたい場合は、プロンプトに ultracode: を含める方法もあります。毎回重いモードにする必要はありません。
Project設定例:最初は権限を狭くする
自律運用で最初に決めたいのは「AIに何を許可し、何を許可しないか」です。Claude Codeのsettingsは、User、Project、Localなどのscopeに分かれています。チームで共有する設定はProject、個人PCだけの設定はLocalに分けると扱いやすくなります。
{
"$schema": "https://json.schemastore.org/claude-code-settings.json",
"permissions": {
"allow": [
"Read(./**)",
"Bash(npm run build)",
"Bash(npm run test *)",
"Bash(git status *)",
"Bash(git diff *)"
],
"deny": [
"Read(./.env)",
"Read(./.env.*)",
"Read(./secrets/**)",
"Bash(rm -rf *)",
"Bash(git push *)"
]
}
}| 設定 | 狙い | 注意点 |
|---|---|---|
| Readを許可 | 調査とレビューをしやすくする | 秘密ファイルはdenyで除外する |
| build/testを許可 | 結果をAI自身に検証させる | 時間とtokenの消費を見ておく |
| git pushを拒否 | 公開や本番反映を人間確認に残す | 運用が固まるまで自動化しない |
この例は考え方を示すものです。実際のプロジェクトでは、使っているpackage manager、テストコマンド、デプロイ方法に合わせて調整します。迷ったら、最初はread-onlyに近い設定から始めるのが安全です。
Subagents設定例:調査係とレビュアーを分ける
Subagentsは、役割別のAI担当者です。公式ドキュメントでは、それぞれが別のcontext、system prompt、tool access、permissionsを持てると説明されています。Dynamic Workflowsでは、この役割分担が効いてきます。
| 担当 | 役割 | 最初に持たせる権限 |
|---|---|---|
| researcher | 公式docs、既存コード、重複を調べる | Read / search中心 |
| implementer | 決まった範囲だけ修正する | 対象ディレクトリの編集 |
| reviewer | 差分を批判的に確認する | Read / build / test |
--- name: reviewer description: 変更後の差分を批判的に確認し、リスク・テスト漏れ・権限の広げすぎを指摘するレビュアー。 --- あなたは敵対的レビュアーです。 成果を褒める前に、壊れそうな点、根拠不足、テスト不足、秘密情報の混入を探してください。 最後に「人間が確認する項目」を3つ出してください。
初心者は、まずClaude Codeの /agents 画面から作るのがわかりやすいです。Markdownファイルを直接書く場合も、最初は「調査だけ」「レビューだけ」のように狭い役割にします。
Hooks設定例:自動化より先に「止める・知らせる・整える」
Hooksは、Claude Codeの特定のタイミングで自動処理を走らせる仕組みです。編集後にformatterを走らせる、通知を出す、危険な操作の前に止める。こうした決まりきった処理は、AIの判断に任せるよりhook化した方が安定します。
| Hook | 使い方 | 初心者向けの例 |
|---|---|---|
| Notification | 入力待ちを知らせる | Claudeが止まったら通知する |
| PostToolUse | 編集後に整える | formatやlintを走らせる |
| PreToolUse | 危険操作を止める | 本番反映や削除前に確認する |
| TaskCompleted | 完了後の確認へつなぐ | レビュアー確認を促す |
{
"hooks": {
"PostToolUse": [
{
"matcher": "Edit|Write",
"hooks": [
{
"type": "command",
"command": "npm run format --if-present"
}
]
}
]
}
}Hooksはユーザー権限でshell commandを実行できます。便利な反面、削除・本番反映・外部送信のような副作用がある処理を軽く入れるのは危険です。最初は通知、format、testのような安全寄りの用途から始めます。
初心者は3段階で始める
Dynamic Workflowsは、いきなり本番の大規模修正に使うより、結果を人が確認しやすい仕事から始める方が向いています。まずは「壊しても戻せる」「読めば正誤がわかる」作業に限定します。
- 調査だけ
ultracode: 公式docsと既存記事を比較し、重複と未確認点を調べて - レビューだけ
ultracode: このPRのリスクを権限・テスト・公開影響の3点でレビューして - 小さな修正だけ
ultracode: テストがある範囲で、1ファイルだけ改善して
この順番なら、AIが何をしているかを追いやすくなります。調査で使い方に慣れ、レビューで観点を育て、最後に小さな修正へ進む。これだけでも、自律運用の失敗はかなり減ります。
慎重に扱いたい作業を先に決めておく
AIに任せる範囲を広げるほど、「やらないこと」の設定が大切になります。特に本番反映、顧客情報、金額、契約、削除操作は、AIの自律判断だけで進めない方が安全です。
| 避けたい使い方 | 安全な始め方 |
|---|---|
| 秘密情報を含むファイルを丸ごと読ませる | 読み取り禁止パスを先に設定する |
| git pushやdeployを自動承認する | build/testまでAI、公開は人間確認に残す |
| DB削除や大量ファイル削除を任せる | read-only調査と差分提案に留める |
| 予算や時間を決めずに長時間走らせる | /workflowsでtokenと経過時間を見る |
i-Styleでは、AIに任せること自体よりも、AIが安全に動ける仕事場を整えることが先だと見ています。モデルの性能が上がるほど、権限、確認、停止条件の設計が大切になります。
よくある質問
Dynamic Workflowsを使うには、最初に何を確認すればよいですか?
Claude Codeを更新し、/configでDynamic workflowsが有効か確認し、対応モデルで/effort ultracodeまたはultracodeを含む依頼を使います。実行中の状況は/workflowsで確認します。
最大1,000 agentsと16並列は、普段から使うべき設定ですか?
いいえ。公式ドキュメント上の上限として理解し、普段は調査、レビュー、影響範囲の洗い出しなど、人が確認しやすい作業から小さく始めるのが安全です。
SubagentsとHooksは何が違いますか?
Subagentsは調査係やレビュアーのような役割別のAI担当者です。Hooksは編集後のformatter、通知、危険操作のブロックなど、特定のタイミングで自動処理を走らせる仕組みです。
初心者が避けるべき設定は何ですか?
本番push、ファイル削除、データベース変更、秘密情報の読み取りを自動承認する設定は避けます。最初はread-onlyの調査やレビューから始め、権限を必要最小限にします。
まとめ
- check_circleDynamic Workflowsは、AIの作業手順をworkflowとして動かす仕組みです
- check_circleUltracodeは重い仕事向けで、普段使いではなく使い分けが必要です
- check_circlesettingsでは、まず秘密情報と本番反映を守る権限設計をします
- check_circleSubagentsは役割分担、Hooksは自動チェックとして使い分けます
- check_circle最初は調査、レビュー、小さな修正の順に始めると安全です
AIエージェント運用の設計を相談できます
Claude CodeやAIエージェントを業務に入れたいけれど、どこまで権限を渡すべきか迷う場合は、まず運用ルールと確認フローを一緒に整理できます。小さく試し、止めどころを決めてから自動化していきます。
お問い合わせページへarrow_forwardまずはチャットボットで相談できます
記事の内容について「自社ならどこから試せばいいか」を軽く確認したい方は、i-Styleサポートデスクbotもご利用ください。問い合わせ前の整理や、AI活用・Web活用の最初の相談窓口としてお使いいただけます。
i-Styleサポートデスクbotで相談するarrow_forward参考ソース
- 参考: Orchestrate subagents at scale with dynamic workflows(Claude Code Docs / 確認日: 2026年6月17日)
- 参考: Model configuration(Claude Code Docs / 確認日: 2026年6月17日)
- 参考: Create custom subagents(Claude Code Docs / 確認日: 2026年6月17日)
- 参考: Hooks reference(Claude Code Docs / 確認日: 2026年6月17日)
- 参考: Claude Code settings(Claude Code Docs / 確認日: 2026年6月17日)
関連記事