「メガネでコーディング」と聞くと、少し未来の話に聞こえます。でもEven RealitiesのEven G2 Terminal Modeを見ると、その未来がかなり現実に近づいている感じがあります。
もちろん、スマートグラス単体の中に開発環境が入って、そこで全部のコードを書くわけではありません。公式情報では、AIコーディングエージェントはホストPC上で動き続け、Even G2はその状態を視界に出し、タップや音声で承認・指示を返す入口として説明されています。けれど実務感覚で見ると、これはもう「メガネからコーディングを前に進める」体験にかなり近いんですよね。
この記事を読むとわかること
- check_circleEven G2 Terminal Modeで「メガネからAIコーディング」がどう成立するのか
- check_circleスマートグラスが、開発の中心デバイスになり得る理由
- check_circleスキマ時間にAI開発を進める時の現実的な使いどころ
- check_circle「見る場所が変わる」ことが、なぜ働き方の変化につながるのか
- check_circle導入前に決めたい承認・セキュリティ・運用ルール
読者フィルター
向く: Codex、Claude Code、Gemini CLI系のAI開発を触り始めた方、スマートグラスとAIエージェントの組み合わせに興味がある経営者・担当者
向かない: Even G2の低レイヤーSDK実装、通信プロトコル、ファームウェア仕様を知りたい開発者
「メガネでコーディング」は、AIエージェント時代なら現実味があります
従来のコーディングは、キーボード、エディタ、ターミナル、ブラウザを行き来する作業でした。だから「メガネでコーディング」と言われても、無理があるように感じます。
でもAIコーディングエージェントを使うと、人間の役割が少し変わります。すべての文字を自分で打つのではなく、AIに作業を頼み、途中で止まったところを確認し、必要な承認や追加指示を返す時間が増えていきます。そうなると、開発の一部はPC画面ではなく、視界の中の短い表示でも進められるようになります。
| 従来の開発 | AIエージェント時代の開発 | スマートグラスが効く場所 |
|---|---|---|
| 人がコードを書く | AIが下書き・修正・実行を進める | 進捗確認 |
| 人が常に画面を見る | 人は止まった時だけ見る | 停止・入力待ちの通知 |
| 承認はPC前で行う | 軽い承認はタップや音声で返す | スキマ時間の判断 |
ここで大事なのは、Even G2がPCをなくす話ではないことです。ホストPCは必要です。ただ、人間がPCの前に張り付く時間を減らし、開発を前に進める接点をメガネ側へ広げる。そこに意味があります。
スキマ時間に開発する、という感覚が変わる
公式ページでは、コーヒーを買いに行く時、散歩中、ワークアウト中でも、AIエージェントの状態を把握できると説明されています。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、AIコーディングの待ち時間を考えると、かなり自然です。
AIに修正を頼む。テストを走らせる。エラーで止まる。許可を求められる。この流れの中で、人間が必要なのは長文入力ではなく、短い判断であることも多いです。だから、数分の移動時間や休憩時間でも、作業を止めずに進められる可能性が出てきます。
- AIが実装を進める。
ホストPC上でコーディングセッションが動きます。 - メガネに状態が出る。
実行中、停止中、入力待ちを視界で確認します。 - 軽い判断を返す。
簡単な承認はタップ、追加指示は長押しして音声で送ります。 - 必要ならPCへ戻る。
差分レビュー、本番反映、複雑な判断はPCで確認します。
「スキマ時間に開発」と言っても、散歩しながら大きな設計判断をする話ではありません。止まっているAIをもう一歩だけ進める。そこに価値があります。
これからは、スマートグラスが開発の中心に近づくかもしれません
スマートフォンが仕事の確認デバイスになったように、スマートグラスがAIエージェントの確認デバイスになる可能性があります。理由はシンプルで、AIエージェントは「ずっと見続ける」より「必要な時だけ見る」相性が良いからです。
Even G2のTerminal Modeは、まさにその入口です。画面を開きっぱなしにするのではなく、進捗や承認待ちを視界に置く。ここでは、以前の見出しで書いていた「見る場所が変わる」という視点も効いてきます。見る場所が変わると、仕事の流れも変わるんですよね。
| 中心デバイス | 得意なこと | AI開発での役割 |
|---|---|---|
| PC | 詳細な編集、レビュー、複雑な操作 | 設計・最終確認・本番判断 |
| スマホ | 通知確認、移動中の短いやり取り | 簡易確認。ただし寄り道もしやすい |
| スマートグラス | 視界内の短い情報、ハンズフリー確認 | AIセッションの監督、承認、短い指示 |
PCがなくなるというより、PCだけが開発の中心だった状態から、PC・スマホ・グラスに役割が分かれていく。そんな読み筋が自然です。
起動の流れは、ホストPCへつなぐところから始まります
公式ページでは、Even Realitiesアプリの設定からTerminal modeを有効化し、ホスト情報、ポート、認証トークンを入力して接続すると説明されています。ストリームが始まると、セッションがグラス上に表示されます。
ここはワクワクする一方で、慎重に見たいところです。AIエージェントの承認画面は、場合によってはファイル変更、コマンド実行、外部送信の入口になります。便利さと同じくらい、接続範囲を小さく保つ設計が必要です。
導入前に決めること - どのホストPCへ接続するか - どのポートを使うか - 認証トークンを誰が管理するか - メガネから承認してよい操作は何か - 音声指示に顧客名・秘密情報を含めてよいか - 本番環境の操作は必ずPCで再確認するか
最初は、ローカルの小さな開発プロジェクトだけで試すのがよさそうです。いきなり本番環境や顧客データを含む作業に広げない。この線引きが、安心して使い倒すための前提になります。
Even G2は、日常のHUDグラスでもあります
Terminal Modeだけを見ると、開発者向けの尖った機能に見えます。ただ、Even G2の公式ページ全体を見ると、日常使いできるディスプレイ型スマートグラスという位置づけが強いです。
HUDページでは、通知、メモ、カレンダー、ナビゲーション、翻訳、Even R1リングからのヘルス情報などを視界に出せると説明されています。テクノロジーページでは、Even HAO、導波路、薄型レンズ、IP65、TriSync接続などにも触れています。
| 要素 | 公式ページで確認できる内容 | 仕事での見方 |
|---|---|---|
| HUD | 通知、メモ、カレンダー、ナビ、翻訳などを表示 | 作業中の小さな情報板 |
| Even HAO | プロジェクター、導波路、レンズを組み合わせる光学技術 | 長時間使う前提の見やすさ |
| TriSync | Even G2、スマートフォン、Even R1が連携 | 目・スマホ・指先の操作分担 |
| Even Hub | Even G2向けアプリを作成・テスト・公開する開発者向け環境 | 用途が増える余地 |
つまりTerminal Modeは、単発の面白機能ではなく、視界の中に仕事の接点を置く流れの一部です。開発だけでなく、会議、翻訳、メモ、通知まで同じ思想でつながっていきます。
中小企業が今すぐ持ち帰るなら「AIを止めない」設計です
すべての会社が今すぐスマートグラスを導入する話ではありません。けれど、Even G2 Terminal Modeが示している方向性は、かなり実務的です。
AIエージェントは、動いている時間より、承認待ちで止まっている時間がもったいない。人がPC前に戻るまで止まる。Slackやスマホ通知に気づかず止まる。こういう小さな停止を減らせるなら、開発や制作の速度は地味に変わります。
今日やるなら、まずこれ
- 1. AIが止まりやすい承認ポイントを洗い出す
- 2. 「通知だけでよい」「短い指示で進む」「PCで見るべき」を分ける
- 3. 本番環境、顧客情報、金額、契約に関わる操作はPCで再確認する線を引く
i-Styleでは、こうした新しいデバイスの話を「面白そう」で終わらせず、仕事の流れに翻訳して見ています。今回なら、ポイントはスマートグラスそのものだけではありません。AIに任せた作業を、どう止めずに進めるか。ここが半年後、かなり効いてくるはずです。
よくある質問
Even G2だけでコードを書けるのですか?
公式情報を見る限り、開発環境そのものはホストPC上で動きます。Even G2は、そのAIコーディングセッションを視界で確認し、承認や短い指示を返すための入口です。ただし体験としては、メガネから開発を前に進める感覚に近づきます。
どのAIコーディングツールに対応していますか?
対応しているAIコーディングツールは、Claude CodeとCodexです。どちらもホストPC側でセッションを動かし、Even G2側では進捗確認、承認、短い指示の入口として使う形になります。
スマートグラスから承認するのは危なくありませんか?
承認対象によります。テスト実行やローカル作業の継続なら軽く扱えますが、本番反映、外部送信、顧客情報、金額に関わる操作はPCで再確認する線を引いた方が安心です。
非エンジニアにも関係がありますか?
直接使うのは開発者が中心です。ただ、AIエージェントが複数の作業を進め、人が承認点だけを見る流れは、資料作成、問い合わせ分類、記事制作、社内タスク整理にも広がる考え方です。
まとめ
- check_circleEven G2 Terminal Modeは、ホストPC上のAIコーディングセッションをスマートグラスから確認し、承認・音声指示を返す機能です。
- check_circleスマートグラス単体で開発環境を置き換えるわけではありませんが、メガネから開発を前に進める体験にかなり近づいています。
- check_circleスキマ時間にAIセッションの停止・入力待ちを拾えると、開発や制作が止まりにくくなります。
- check_circle見る場所がPCから視界へ広がることで、スマートグラスがAIエージェント時代の中心デバイスに近づく可能性があります。
- check_circle導入時は、ホスト接続、認証トークン、承認してよい操作、秘密情報の扱いを先に決める必要があります。
AIエージェントが増えるほど、人は画面の前にいる時間ではなく、止めないための判断で仕事を進めるようになります。メガネからコーディングする。少し未来っぽい言葉ですが、もうただの夢物語ではなくなってきました。
参考リンク
- 参考: コーディング用スマートグラス | Even G2 ターミナルモード(Even Realities / 2026年5月28日確認)
- 参考: Coding Glasses for AI Agents | Even G2 Terminal Mode(Even Realities / 2026年5月28日確認)
- 参考: HUDグラス|Even G2ディスプレイ|健康・ナビ・翻訳(Even Realities / 2026年5月28日確認)
- 参考: Even G2テクノロジー|光学&ハードウェア革新技術(Even Realities / 2026年5月28日確認)
- 参考: Even Hub(Even Realities / 2026年5月28日確認)
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