ワークフロー自動化

問い合わせ対応 1 件の「本当のコスト」を
数値化してみた

問い合わせ対応のコストを電卓と時計のモチーフで象徴する抽象ビジュアル

「月に問い合わせが 200 件。これを人件費換算するといくらですか?」── 経営者の方にこう聞くと、即答できる方は実は半分くらいです。

でもこれ、実は会社の隠れた大きなコストなんですよね。この記事では、問い合わせ対応の「本当のコスト」を計算する方法と、実際の業種別シミュレーションをご紹介します。コスト構造が見えると、カスタマーサポートの打ち手がかなり変わって見えてきます。

lightbulb

この記事を読むとわかること

  • check_circle問い合わせ 1 件あたりの「隠れたコスト」の計算式
  • check_circle業種別の月額コスト シミュレーション(EC / SaaS / 士業 / サロン)
  • check_circle「同じ質問の 8 割」問題が意味するもの
  • check_circleAI 自動化が現実的な選択肢になる ROI 試算

問い合わせコストの計算式

一番シンプルな式はこれです。

月額コスト ≈ 担当者の時給 × 1 件あたりの平均対応時間 × 月間件数

たとえば、時給 2,500 円の担当者が、1 件あたり 15 分で対応しているなら:

2,500 円 × 0.25 時間 × 200 件 = 125,000 円/月

年間で 150 万円です。「そんなにかかってないよ」と思われるかもしれません。でもここには、目に見えない追加コストが隠れています。

隠れたコスト 3 つ

  • check_circleタスクスイッチコスト: 作業中に問い合わせが入ると、元の作業に戻るまで平均 23 分かかるという研究があります(University of California)
  • check_circle調査時間: 過去のメールや Slack を遡って「これ前回どう答えたっけ?」と確認する時間
  • check_circle感情的エネルギー: 丁寧な返信を書くのは意外と消耗します

これらを含めると、実コストは単純計算の 1.5〜2 倍 になる、と考えるのが現実的です。

業種別シミュレーション

具体的な業種で計算してみましょう。担当者時給は全業種 2,500 円で統一、隠れコストは 1.5 倍で試算しました。

業種 月間件数 平均対応 月額 年額
EC(アパレル等)300 件12 分22.5 万円270 万円
SaaS(BtoB)100 件30 分18.8 万円225 万円
士業(税理士等)50 件45 分14.1 万円169 万円
サロン(美容等)80 件10 分5 万円60 万円

ざっくり 年間 60〜270 万円 のレンジ。思っていたよりもずっとコストがかかってるな、と感じる方が多いと思います。

そして、その 8 割は「同じ質問」という事実

カスタマーサポートの現場にお邪魔させてもらって、本当にありがたいことに気づいたことがあります。それは、問い合わせの約 8 割が、数パターンの「よくある質問」に収まる という事実です。

  • check_circle「料金プランを教えてください」
  • check_circle「〇〇の設定方法がわかりません」
  • check_circle「解約したいのですが、どうすれば?」
  • check_circle「インボイス制度に対応してますか?」

業種が違っても、この傾向はほぼ変わりません。つまり、年間 150 万円のコストのうち、120 万円くらいは「同じ質問」に延々と答え続けている時間 なんですよね。

じゃあ、どうするか

打ち手は、ざっくり 3 つあります。

打ち手 メリット よくある落とし穴
A. FAQ ページを充実させる低コストで始められる読まれない 現実がある
B. メールテンプレートを用意する初期コストが安い運用が追いつかず テンプレが腐る
C. AI チャットボットに任せるここのコストが劇的に下がっている(月額 1〜3 万円で導入可)導入の設計次第

Cが興味深いのは、年間 120 万円のコストを、年間 12〜36 万円の外部サービス費用に置き換えられる 計算になることです。単純に 3〜10 倍の ROI なんですよね。

計算して、決断する

問い合わせコストを数字にすると、感覚ではなく 意思決定の対象 になります。

「うちはそんなにコスト意識ないから」ではなく、「いま毎月 10 万円かかってるなら、2 万円払って 80% 自動化できるならやるよね」── これくらい単純な経営判断に落ちます。

まとめ

  • check_circle問い合わせ 1 件の「本当のコスト」は、単純人件費の 1.5〜2 倍
  • check_circle業種により年間 60〜270 万円のレンジ
  • check_circleその 8 割は「同じ質問の繰り返し」
  • check_circleだからこそ、AI 自動化の ROI がわかりやすい

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